国際輸送を行う際、まずは輸送にかかる料金がどのくらいなのか必ず見積を行いますよね。
そのとき、料金計算に大きく関わってくる以下3つの単位が今回のテーマです。
・M3(CBM)
・RT(Revenue TON)
・KGS(TON)
それぞれの読み方や計算方法、どのような局面で使用されるのかを単位ごとに解説いたします。
立法メートルは体積を表す単位で、横幅(m)×縦幅(m)×高さ(m)で計算することができます。
立米 (りゅうべい、りゅーべー)あるいはリューベ、と表記・呼称されることもありますが、
国内の物流業界では、B/L(Bill of Lading/ビーエル/船荷証券) やアライバルノーティス(Arrival Notice/貨物到着案内/A/N)などの書類にはM3と表記し、エムスリー呼称するのが一般的です。
海外の書類などでは立法メートルの英語表記であるCubic Meterの略語として「CBM」が用いられる場合もあります。
貨物のM3を確認する際、『貨物のボリュームはどれくらいですか?』というように質問されることもあります。
M3(CBM)は海上輸送のなかでもLCL貨物の運賃ベースとして用いられます。
※FCL貨物の場合はコンテナのサイズ、航空貨物の場合は重量が運賃のベースになっています。
各船会社はサービス航路ごとに1M3あたりの運賃やサーチャージを設定しており、
そのレートに実際の貨物のM3を掛け合わせて料金計算を行います。
【計算の例】
例えば高さ、幅、長さがそれぞれ
2メートル、3メートル、4メートルの木箱の体積をもとめる場合、
計算式は 3×4×2=24 となり、
体積は24立方メートル(24M3)であると計算できます。
Revenue TON(レベニュートン)というのは国際単位系に定められた単位ではないので、
物流業界以外ではほとんど出会う機会がない単位なのではないでしょうか。
輸送料金の計算に用いる便宜上の単位で、
貨物の体積1M3を重量1TONと換算した体積重量と実重量を比較し、より数値が大きい方
をRevenue TON ( R/T )として料金計算に用います。Chargeable Weight(チャージアブルウェイト)とも呼ばれます。
LCL貨物だけでなく、航空貨物の場合もこの単位が運賃計算にかかわります。
【計算の例】
上の図で例えると、
実重量5,000KGS・体積8M3の貨物は
実重量=5TON 体積重量=8TON
となり、体積重量のほうが大きいため、
この貨物は8RTということになります。
料金計算の単位にレベニュートンが採用されている場合、
実重量とレベニュートンが一致している場合は特に意識されることもないのですが、
上記の例のように体積の割に重量が軽い貨物については注意が必要です。
なぜ実重量と体積重量の比較が行われるのかというと、
船や航空機の積載制限において、貨物の重量はさることながら、
限られたスペースをいかに有効的に利用して輸送できるかという観点から体積の大きさも鑑みる必要があるからです。
多種多様な貨物を輸送するにあたり、貨物の性質に見合うバランスのとれた輸送費用を提示するためにレベニュートンという計算単位が採用されているんですね。
KGSは重量の単位キログラム(kilograms)の略称です。
レベニュートンの項目で紹介した体積重量に対し、こちらは純粋な貨物の実重量を表す際に用いられます。
国際単位系ではKGと記載するのが普通ですが、物流業界では慣習的にKGSと表記する場合が多いようです。
書類によっては実重量=Gross weight(G/W)という項目にこの数値が記載される場合もあります。
ちなみに体積重量と比較して実重量のほうが重い状態を『Weight勝ち(ウエイトがち)』と表現することもあります。
また、フォワーダーによっては料金計算用に輸送シーン別の1M3あたりの便宜上のKGSの換算係数を設定しているケースもあります。
以下は弊社が用いる換算係数の一例です。
海上速達便の場合、お見積もりの際に使用する係数は1M3=200KGMとなっています。
・1カートン10KGS
・高さ幅長さそれぞれ30cm、40cm、40cm
このような貨物が10個の場合の各種重量を確認してみましょう。
実重量は100KGS
容積は0.3m x 0.4m x 0.4m x 10個=0.48M3
となります。
そして、上記のM3に換算係数を掛け合わせて計算すると、それぞれの容積重量は
陸上輸送: 0.48m3 x 280 = 134.4KGS
航空輸送: 0.48m3 x 166 = 79.68KGS
海上速達便: 0.48m3 x 200 = 96KGS
となります。これを実重量の100KGSと比較しすると、それぞれの料金計算に採用される重量は
陸上輸送: 134.4KGS
航空輸送: 100KGS
海上速達便: 100KGS
このようになります。
以上、国際輸送にかかわる海上輸送、航空輸送、陸上輸送に使う料金の単位を簡単に紹介させていただきました。