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「水」の輸入大国日本、バーチャルウォーターとは?その2

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「水」の輸入大国日本、バーチャルウォーターとは?その2

■バーチャルウォーター(Virtual water)

132リットル  コーヒー1杯
2,400リットル ハンバーガー1個
2,900リットル Tシャツ1枚
17,000リットル     皮革製品のバッグなど(牛革1KGSを使用した場合)

これらの製品を作るために、製造地で使う水を試算した時の数値、つまりバーチャルウォーターの使用量。
水が豊富な日本にいると、水道から水が流れ出てくることが当たり前だと思っている、毎日のお風呂やシャワーでも多くの水を使用する。農作物の生産に、日本の農家は河川や地下水を活用する。

環境省によると、
「バーチャルウォーターとは、食料を輸入している国(消費国) において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したものであり、ロンドン大学東洋アフリカ学科名誉教授のアンソニー・アラン氏がはじめて紹介した概念です。例えば、1kg のトウモロコシを生産するには、灌漑用水として1,800 リットルの水が必要です。また、牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kg を生産するには、その約20,000 倍もの水が必要です。つまり、日本は海外から食料を輸入することによって、その生産に必要な分だけ自国の水を使わないで済んでいるのです。言い換えれば、食料の輸入は、形を変えて水を輸入していることと考えることができます。

日本のカロリーベースの食料自給率は40% 程度ですから、日本人は海外の水に依存して生きているといえます。つまり、日本はバーチャルウォーターの輸入を通じて海外とつながっており、海外での水不足や水質汚濁等の水問題は、日本と無関係ではないのです。2005 年において、海外から日本に輸入されたバーチャルウォーター量は、約800 億立方メートルであり、その大半は食料に起因しています。これは、日本国内で使用される年間水使用量と同程度です。」

■海上コンテナ(=Container)

800億立法メートルを海上コンテナで換算すると、32億TEU(*)に相当する、つまりコンテナ32億個に相当する。日中航路を運航するコンテナ船は一隻1,000個のコンテナを積載できる。アジアと欧州や北米間を運航しているコンテナ船の中で、最大規模のコンテナ船は20,000個のコンテナを積載できる。世界で流通している海上コンテナは3,600万個といわれている。世界最大規模の上海港は、年間4,500万個の輸出入コンテナをハンドリングしている。日本最大の東京港は年間450万個のコンテナを取扱いしている。このことからバーチャルウォーター800億立法メートルの規模感が理解できる。

日本は海外から輸入するすべて食料を海上コンテナで輸入しているわけではない。しかしバーチャルウォーター800億立法メートルに相当する海上コンテナ32億個分の水を輸入していると想像すると、日本は年間に大量の水(バーチャルウォーター)を輸入している事が理解できそうだ。

日本の食糧自給率は、生産額ベースで70%以下、カロリーベースで30%以下。一方、フランスは生産額ベースで130%、カロリーベースで80%以上。食糧を海外からの輸入に依存する日本は、野菜、果物、牛肉や豚肉などの食肉やワインなどを、定温・冷凍・冷蔵などの温度管理ができるリーファーコンテナ(Reefer Container)を用いて輸入している。そばの実や加工野菜などの常温で保存できる食品は、ドライコンテナ(Dry Container)で日本へ輸入している。スーパーマーケットと販売されている食肉やレストランで使用されている野菜が国産であったとしても、家畜を育てる餌の飼料や野菜の肥料は海外から海上コンテナや、貨物船に船積みされて輸入されている事がある。

■サプライチェーン

サプライチェーンにおける、水の使用はみえにくい。水を使わない産業はないといわれている。食糧、飼料、日用品や機械部品や電子部品などの軽工業製品などは、人件費やインフラコストを考慮し、自国や先進国で消費するが、生産はアセアンやアフリカなどに依存している。進出や投資する際、これらの地域における電力事情や人件費を調査することは、当然の事として精査する。一方で、バーチャルウォーターの視点から水資源を検討している企業の話はあまり耳にしない。今やすべての産業は、アップストリームからダウンストリームまで、複雑に連鎖し、調達から販売までのサプライチェーンに複数の企業が携わる事から、海外にある川上の情報が見えにくい。

■世界の水資源

地球上には、13億5000㎦の水があり、そのうち97.5%は海水、淡水はたった2.5%。淡水の70%は凍っている、さらに凍っていない淡水の半分は地中深くの地下水。人が使用できる水は、地球全体の水「13億5000㎦」の0.01%。
水資源に恵まれた日本は、水道水の蛇口をひねると安全な飲料水が飲める。ミネラルウォーターの水源も日本各地にあり。ミネラルウォーターは、水源から都市部へトラックや鉄道で輸送されている。世界各国の水資源に目を向けて、他国の飲み水に興味を持ち、結果的に日本の食品に影響を及ぼしている事を、一人ひとりが知ることも大切なのかもしれない。

*TEUとは
twenty-foot equivalent unit、20フィートコンテナ1つの単位
ここでは便宜上1TEUを25立法メートルとして換算した

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