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ポートワイン、伊万里焼、ジャガイモの共通点

ポートワイン、伊万里焼、ジャガイモの共通点

陶磁器は英語でchina、漆器はjapanと呼ばれる。生活器であり、書籍や絵画と共に文化を継承する芸術品でもある。英語の国名がもう一つの意味を持つ。中国(China)からは陶磁器、日本(Japan)からは漆器が世界各地へ輸出されたため、国名がそのまま陶磁器と漆器を意味する事となったのだろう。

ポートワイン(Port Wine)
酒精強化ワインの中の一つにポルトガルで生まれたポートワインがある。濃厚な甘さと深いコクが特徴の甘口ワイン、アルコール度数は約20℃前後。生産地はポルトガル北西部ドウロ川沿い。古くはローマ時代からワイン作りが始まり、12世紀ごろには英国に輸出されていたとされている。アウト・ドウロは降雨量が少ないため、ブドウの糖度が高い。糖度が高いブドウの発酵途中にブランデーを加える事により、発酵を抑えワインにブドウ果汁の糖度を残す。発酵を止めた事により保存性が高く、開封後も品質が劣化し難い。食後酒として英国では大変人気があるといわれている。余談だがポルトガルの漢字の名称は葡萄牙、国名にブドウがつく。

世界遺産でもありポルトガル第二の都市、ポルト(Porto, Portugal)。ポルトガルの芸術「アズレージョ」、真夏のポルトガルの海を思い出すような鮮やかな青色のタイルが美しいサン・ベント駅からドウロ川へ歩いていくと、ドン・ルイス一世橋に辿り着く。橋からの眺めはオレンジ色の屋根が目を惹くが、対岸に並ぶワイナリーは、由緒あるポートワインのワイナリーだ。この地名ポルトガルのポルト(Porto)は、英語の港(Port)と語源が同じであり、ポルトから英国へ多く輸出されたため、英国においてポートワインと呼ばれるようになり、このポートワインの名が世界へ広まった。

伊万里焼(Imari)
古いものは古伊万里とも呼ばれ、現代の伊万里焼と呼称が分別されている。17世紀から18世紀に伊万里港(現在の佐賀県伊万里市)からヨーロッパへ輸出されてことにより、遠くヨーロッパでは地名の伊万里(Imari)で呼ばれた。 

陶磁器の生産地として世界で最も有名な地名は、中国「景徳鎮(JingDeZhen)」。福州(Fuzhou)や厦門(Xiamen=アモイ)で有名な福建省(FuJian)に隣接する江西省(JiangXi)の北部に位置する。1000年前、このから良質な粘土が産出されたことにより景徳鎮は時の皇帝から珍重、保護され続けた。特に染付磁器(中国語で青花磁)と呼ぶ、白地の素地にコバルトの鮮やかな藍色で文様を描く技法は、この景徳鎮が確立したといわれている。

宋、元、明朝と続き、景徳鎮は確固たる技法を築き、ヨーロッパとの交易でも大切な交易品として、ヨーロッパで人気であった。特に貴族婦人は、一つのステイタスシンボルとして、陶磁器を大切にし、現在もヨーロッパの美術館や博物館だけでなく、貴族の宮殿にも多くの陶磁器が現存する。

16世紀から17世紀、明朝の衰退と滅亡によって、ヨーロッパの商人は日本の陶磁器に目を付けていた。肥前には豊臣秀吉の朝鮮出兵によって、朝鮮の陶工が連れてこられ新たな技法を学んだとされている。日本は当時戦国時代から江戸幕府の時代となり国政が安定し、文化芸術を歓迎するようになっていた。同時にヨーロッパの商人が中国景徳鎮に代わり、日本へ陶磁器を求めてきた。肥前有田、現在の佐賀県有田町で製造された磁器を有田焼という。伊万里に注ぐ有田川の上流に位置する。この有田焼が伊万里港から交易船によってヨーロッパへ船積みされて事により、世界では有田焼が伊万里(Imari)と呼ばれるようになった。

ジャガイモ(Potato)
ジャガイモ、じゃがいも、馬鈴薯、Potato。南米アンデス山脈が原産。世界中で食される食材の一つ。揚げる、煮る、焼く、練る、スナック菓子の材料として、お酒の原材料、粉末をでん粉として、世界中で愛される食材だ。

ジャガイモの名前は、一説によると、インドネシアのジャカルタ(Jakarta, Indonesia)から日本へ渡来したため、ジャガイモと呼ばれるようになったようだ。当時はジャカルタ港またはジャワ島(Java)をジャガタラと呼び、そこから変化してジャガイモと呼ぶようになった説が有力だそうだ。

漢字「馬鈴薯」は中国語で「MaLingShu」と読み、マレー半島(The Malay Peninsula)のマレーから中国へ伝わり、馬鈴薯との漢字名がついたとの一説もある。

現在の上海(Shanghai)では、ジャガイモのことを馬鈴薯とは呼ばず、「土豆(TuDou)」の方が一般的だ。フライドポテトの事を中国語で「炸薯条(ZhaShuTiao)」、ポテトチップスを同じく「土豆片(TuDouPian)」と呼ぶ。同じ食材だがまったく違う名前を使っているところが興味深い。

温故知新 (論語の一説、温故而知新 可以為師矣)
He that would know what shall be, must consider what has been.

大切に伝えられてきた陶磁器や漆器の伝統技法はおろそかにしてはならない。ビジネスにおけるイノベーションにとって大切な事は、発明そのものではなくその、その発明によって連続的に変革を起こし続ける事だともいわれている。伝統守り続け、伝統から学び、新しい事を加える事によって発展させていける。

ポートワイン、伊万里焼、ジャガイモなどは、すべて数百年前にご当地から海外へ輸出され世界へ広まった。交易船が海を渡り、食文化や芸術を世界の各地へ伝えてきた。船がモノを運ぶことによって、交易が生まれ、各地に変革をもたらした。国際貿易は輸送手段を得てこそ発展する。現代の情報はインターネットによってボーダーレス化したが、モノの移動は輸送手段を選び、その需要が運輸業界を加速度的に発展させている。多様化するニーズに応える輸送手段の変革が、まさに今、強く望まれている。

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