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調達と販売を繋ぐ輸入貿易 前編

輸入貿易は、海外調達と市場販売によって成立するビジネス。 

現在の中国は、世界の工場と呼ばれ様々な商品を調達できる。貿易立国の日本において、その中国から商品を調達し、日本の市場で販売するビジネスモデルは、古の時代から変わっていない 

7世紀遣隋使や遣唐使は、朝貢(ちょうこう)使節団として中国に渡った奈良を中心とした在京の有力者が一任した代理人や一攫千金を狙う商人が随行し、命懸けで大陸へ渡航した。代理人や商人は、隋朝や唐朝の中国にて、宝物、織物や器類、更には貴重な書物を入手した。再び命を賭して中国から日本への航海を乗り切り、無事に貴重な商品を日本に運んだ。 

阿倍仲麻呂、吉備真備は、教科書にも名前が掲載される朝貢使節団の代表的な人物。上海と大阪・神戸間を運航する貨客フェリー「新鑑真(XIN JIAN ZHEN)」、このフェリー船は、朝貢使節団の帰路に日本へ渡来した文化人鑑真和尚が船名の由来だ。 

当代の朝廷側は、随行する商人を優遇する事と併せて、相応の上納金を要求した。日本における関税制度は、この頃にすでに形成されていたと考えられる。 

◇調達 

1.主流な海外取引 

従来、そして今も主流な海外との取引の仕方。 

中国輸入貿易において調達とは、中国の貿易公司や工場から仕入れる事。商社や海外取引に関わる製造業や小売が、1980年代や1990年代から海外に足を運び、労力と時間をかけた調査や長年に渡る経験を基にした感性を頼りに、中国企業との交渉を経て仕入れる。苦労の結晶であり、他者に模倣されない独自性を維持し易い。一方で、調達に対する時間とコストは課題であり、海外事務所を設ける、専門部署を設けるなど、各社は対策を講じてきたが、体制は整っても劇的な調達構造の改革には至っていない。 

1980年代~1990年代、中国企業が製造する商品品質は、日本の市場が受け入れる水準に達していなかった。 

中国からの商品調達において、日本は商社がその役割を担ってきた。ビジネス上のリスクである、為替リスク、在庫リスク、品質リスク、政治・政変を含む政情不安などのカントリーリスクなど、これらを商社は自社の高度なマネージメントによって解決してきた。この商社の機能を活用して、自動車、電機、食糧、エネルギーなどの各種産業は、中国からの輸入貿易を安定的に推進してきた。 

輸入貿易における4スッテプ 
aa. 市場調査
bb. 輸入戦略
cc. 検討・改善
dd. 輸入・販売

aa. 市場調査
商社や小売りは、日本の国内市場を調査し、需要のある製品を探しだす。 
自ら企画作成し、試作品の製作を依頼する事もある。生産を担うメーカーがなければ、自ら探し出すことも、市場調査段階において行う事もある。  

bb. 輸入戦略
一般的には、マーケティング(Marketing)とも呼ばれている主な手法として、マーケティング活動の4Pを実行する事もある。マーケティングにおける「4P」とは、Product(製品)、Price(価格)、Place(販売地域や流通)、Promotion(広告などの販促活動の頭文字を意味している。 

cc. 検討・改善
販売先、販売地域、販売量を、小売先と検討する。日本国内にて初めて販売する製品は、少量をテスト販売し、市場の反応を事前に確認する事もある。デザインや品質などを、この時点で改善する事もある。 

dd. 輸入・販売
マーケティング活動に基づいた販促活動と併せて、製品を輸入し、日本の国内市場で販売する。市場での販売進捗が好調であれば、追加輸入することもある 

2021年に経済産業省が発表した令和3年版通商白書」の中のまとめとして、日本の強みを活かすバリューチェーンを官民で作り込む重要性を提言している 

令和3年版通商白書の抜粋は下記の通り。 

——————— 

第Ⅱ部 第3章 信頼あるグローバルバリューチェーンの構築に向けた対応 

2.経済安全保障と産業競争力の強化に向けた取り組み 

第Ⅰ部で示した様に、米中両国による技術覇権争い等を背景として、コロナによるサプライチェーンの脆弱性が顕在化したことも相俟って、各国における経済安全保障の取り組みが強化されている。我が国の経済安全保障を確保するためには、重要技術や物資に係る我が国の優位性と脆弱性を把握した上で、海外における生産拠点の集中度の高い重要物資等の生産拠点多元化支援による調達先の集中度低減や海外企業との戦略的提携の拡大、有志国との「信頼」を軸としたグローバルサプライチェーンの構築が重要である。外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく輸出管理・投資管理の徹底に加え、国際輸出管理レジームを補完する枠組みの検討や、アカデミアにおける技術管理強化を含む技術の流出経路に応じた統合的な流出防止策の構築により、機微技術管理を徹底することが不可欠である。さらに、有志国との連携を含めてチョークポイントとなる技術の研究開発や設備投資を促していくことも重要となる。これらの取組を通じて、有志国との適切な役割分担の下で重要生産基盤の国内整備を進め、先端技術研究開発コミュニティにおける重要な地位を確保し、経済安全保障上の重要技術や物資に係る我が国の「脆弱性の克服」と「優位性の確保」を実現していく。 

 また、企業経営の観点からは、経済と安全保障を一体として捉えた上で、国際競争力強化に取り組むことがますます重要になっている。日本企業においては、機微技術管理に関する国際動向を本社ベースで把握するための体制整備や、サプライチェーン上のリスクの精緻な把握など、各国による規制強化への適時の対応が求められている。他方で、法令順守を超えた過度な萎縮は不要であり、事業機会を失わないよう米欧の競合他社をベンチマークしつつ、技術流出の適切な防護や公正な競争条件の確保、イノベーティブな主体との連携を図ることで市場での収益拡大や新たな研究開発投資に繋げるような「したたかな」対応を行っていくべきである。 

——————— 

日本の産業構造の中で、グローバルバリューチェーン」や「グローバルサプライチェーンの構築」は、商社のように貿易の専門としている企業が得意としている分野で、本業の強みを最も活かせる分野だ。 

2.新たな調達方法 

中国からの調達を、根底から変革しているアリババ。 

近年新たな調達先としてアリババが運営するタオバオ「淘宝= Taobao」などの中国EC市場が注目されている。大手企業や長く中国ビジネスに携わってきた人は、独自のルートや人脈を頼りに商品を仕入れている。日本のAmazonや楽天や自社サイトで商品を販売している人は、タオバオで欲しい商品を見つけて、必要な商品を必要な数量だけ仕入れている。人脈がなくても、タオバオがサプライヤー(供給者)とバイヤー(購入者)を繋いでくれる。英語や中国語ができなくても、Google翻訳やWeChat(微信)の翻訳機能で立派に交渉している。従来型の貿易とは大きく異なる事は時間だ。商品が気に入れば即決で購入に向けて交渉できる。 

D2C(Direct to Consumer)と呼ばれる、小規模な事業体はこのD2Cのビジネスモデルにおいて、アリババからの調達を積極的に活用している。

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