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歴史ある関税制度

歴史ある関税制度

The empire on which the sun never sets.

関税は古くから存在していた。

紀元前のローマ帝国時代、海外貿易に生まれた富から関税が徴収されていた。ヨーロッパ及び中東や西アジアに拡がるローマ帝国の影響が及ぶ域内において各地に納税を課していたといわれる。

大航海時代となり大英帝国や、太陽の沈まぬ国(The empire on which the sun never sets.)と称されたスペイン帝国がヨーロッパだけでなく、アメリカ大陸、アフリカ大陸、アジアへ植民地化を進め、世界規模の貿易が進み各地で関税が徴税された。

日中貿易においても例えば13世紀の元朝は日本の商船に高い関税をかけ、その影響により倭寇が生み出されたともいわれている。王直や徐海など多くの小説の題材となっている倭寇は、海賊としての悪名があるものの、貿易商として博多商人と交易を行い、結果的に藩主へ莫大な関税を納付していた

関税の納税義務
関税法第六条

関税は、この法律又は関税定率法その他関税に関する法律に別段の規定がある場合を除く外、貨物を輸入する者が、これを納める義務がある。

輸入貿易をする方は、関税法第六条によって関税を納税する義務が生じる。日本において現代の法的根拠はこの法律が基になっている。

財務省・税関HPによると、

関税とは
関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきましたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されています。

関税は、他の租税同様、その収入は国庫収入となります。かつては、国家の財源として重要な位置を占めていました。国家間の経済交流が活発化し、貨幣経済が浸透する一方、国家の財政規模が巨大になり、国家の徴収体制が整備されるのに伴い、財源調達手段としての関税の意義は相対的に小さくなっていますが、厳しい財政事情の下でこれを適正に確保することは重要となっています。他方、関税が課せられると、その分だけコストが増加し、国産品に対して競争力が低下することから、関税の国内産業保護という機能が生まれます。現在では、この産業保護が重要な関税の機能となっています。

■税関の役割
税関では以下の3つの大きな使命のもと、国内関係機関や関係業界、さらには各国の税関や国際機関などと連携・協力しながら、適正な税関行政の運営に取り組んでいます。

1.安全・安心な社会の実現
銃器・不正薬物等の密輸阻止を最重要課題とするとともに、我が国におけるテロ行為等を未然に防止することにより「世界一安全な国、日本」を築く。

2.適正かつ公平な関税等の徴収
国税収入の約1 割相当を徴収する歳入官庁として、適正かつ公平に関税等を徴収する。

3.貿易の円滑化
国際物流におけるセキュリティを確保しつつ、通関手続を一層迅速化する。


関税率

関税率は大きく分けると、日本国の法律によって定められた「国定税率」と、国際間の条約に基づく「協定税率」がある。

「関税定率法」
法律に基づいて定められている税率を国定税率という。日本では、「関税定率法」と「関税暫定措置法」という二つの法律によって国定税率が定められている。「関税定率法」には、事情に変更のない限り長期的に適用される基本的な税率(基本税率)が定められている、平成25年4月現在7,254の税率が設定されている。

「関税暫定措置法」
一時的に基本税率によりがたい事情がある場合に、一定期間基本税率に代わって適用される暫定的な税率(暫定税率)が定められている、常に基本税率に優先して適用される。平成25年4月現在433の税率が設定されている。

さらに、「関税暫定措置法」には、開発途上国・地域からの輸入品に対して適用される税率(特恵税率)も定められている。特恵税率は、経済が開発の途上にあり、特恵関税の供与を希望し、日本が適当であると認めた国・地域に対して適用される税率であり、最恵国待遇の例外として、実行税率(国定税率(特恵税率を除く。)と協定税率のいずれか低い税率)よりも低く設定されている。特恵税率は、原産地等の条件を満たすことにより適用される。

協定税率
WTO協定上、WTO加盟国・地域に対して一定率以上の関税を課さないことを約束(譲許)している税率を協定税率(WTO譲許税率とも呼ばれる。)といい、その税率が国定税率より低い場合、WTO全加盟国・地域からの産品に対し等しく適用される。本来、協定税率はWTO加盟国・地域に対してのみ適用される税率だが、WTO非加盟国であっても、通商航海条約等の二国間条約(自由貿易協定を除く。)で最恵国待遇を約束している国に対しては、WTO加盟国・地域と同様に協定税率が適用される。

条約に基づく税率には、協定税率の他に、最恵国待遇の例外として、EPA(経済連携協定)を締結した相手国からの産品のみを対象とした税率がある。EPAでは、最恵国待遇による実行税率より低い税率が規定され、原産地等の条件を満たすことにより、国定税率及び協定税率に優先してその税率が適用される。

日本がこれまでEPAを締結した相手国は、シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、ASEAN、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、豪州及びモンゴルなど。

国際的な関税制度の簡素化
関税の制度が各国まちまちで、かつ複雑であっては国際貿易の障害となっていた。20世紀の初め、これを簡素化して各国統一しようという動きが欧州で起こり、1952年に関税協力理事会(CCC=現在はWCO)が発足し、ベルギーのブリュッセルに本部が置かれた。CCCによって関税協力理事会品目表(CCCN)が作成され、「関税率表における物品の分類のための品目表に関する条約」(品目表条約)が1959年に発効された。

国際統一商品分類(HS CODE)
CCCN作成後の貿易構造の変化や科学技術の進歩に対応させるとともに、CCCNを採用していなかったアメリカ、カナダも含めて商品分類の真の国際的統一を図るために、CCCNに替わる新しい品目表としてHS CODEが開発された。1983年に「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)」として採択され、1988年1月に発効された。HS CODEは、国際貿易の対象となるすべての商品を網羅するように構成されており、分類の最小単位は号と呼ばれる6桁の数字で表される。

HS CODE(HSコード)とは、HARMONAIZED SYSTEM CODESのことで、国際貿易商品を分類するための6桁の数字。通関申告時に輸入申告書に記載する関税額は、関税率に基づいて計算する。関税率はHS CODEにより規定されるためHS CODEを特定することで、関税額を計算することができる。

貿易障壁のひとつ
日本の税関で徴収する関税と消費税は、日本の国税収入の約10%を占めているといわれている。国税収入約55兆円の中の約2%、1兆円が関税収入の内訳だ。この金額から関税が国の大切な収入の一つであることがわかる。

一方で、関税は貿易障壁だともいわれている。WTOでは加盟国同士が相互に関税率を下げる事を目的としている。近年は、WTOの機能や役割の低下が顕著であり、2国間における貿易協定のEPAや多国間協定が急速に締結されている。

国際貿易促進の観点では、関税制度の簡素化や関税率の低税率化が望まれている。関税制度の簡素化によって期待される迅速化や、関税率の低税率化による更なる貿易の促進は、貿易立国である日本においては避けては通れない課題だろう。

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