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輸入ビジネスにおけるスタグフレーション

輸入ビジネスにおけるスタグフレーション

サプライチェーンの歪みが輸入貿易に負のインパクトを与えているのか? 

そして、輸入製品を販売している会社は、スタグフレーション(=stagflationに直面しているのか? 

 今まさに、中国から日本へ輸入するビジネスは、5重苦を抱えている。 

  1. 円安 
  2. 封鎖管理
  3. 中国の電力抑制
  4. サプライチェーンの歪み
  5. スタグフレーションの可能性

◇円安 

2020年の平均円相場は、TTSにおいて1米ドルが約104円であった。 

2021年秋、TTS1米ドルが115円を超えた。輸入貿易をしている事業者にとって、5円~10円の円安は調達コストへ直接的な影響を及ぼす。為替相場は、たった一つの理由ではなく複合的な要因によって前後するため、主要因を特定する事は困難であるが、日本の企業が稼ぐ力そのものが弱まっている事も、円安に相場が動いている一因のようだ。 

世界各国のハンバーガーの値段やガソリンなどの生活に不可欠なエネルギーは、物価指数や消費指数の比較材料として広く用いられている。現在の日本は、主要先進国と比較すると「安い国」として見られている。 

日本が海外の商品を買うと高いが、海外から日本の商品を購入すると割安に感じられる。インバウンドの旅行者などの消費は期待できるが、一方で海外生産が当たり前となった日用品や企業の製品は、海外生産拠点から日本市場へ持ち込むと調達コストの高さが顕著に表面化する。  

◇封鎖管理 

2022年2月、中国は世界的な冬季の国際スポーツ大会を控えている。空港や港湾など海外からの流入を防ぐために、人の出入国が中国全土において厳格に管理されている。感染者が一部の地域で発見されると、その地域や団体全体を隔離措置の管理下に置き、経済的機能が停止する。 

製造業にとって操業停止は、生産品を生み出せず企業収益に影響する。中国から製品を輸入する日本の企業にとっては、部品調達が遅れ製品販売が計画から遅れ、企業収益に直接的な下方修正が生じる  

◇中国の電力抑制 

2021年9月から、中国各地において停電が発生。 

製造業においては、製品の生産が止まり計画通りの出荷ができなくなっている。 

石炭を燃料とする火力発電所が、電力供給を抑制している事に起因する。 

環境負荷の高い石炭を燃料とした火力発電所の操業を控えていると報道発表されている。 

一方で、政治的要因を背景にオーストリアからの石炭調達ができず、燃料のコスト増によって、操業を制限しているとも憶測されている模様。封鎖管理と重なり、計画通りの操業を行えていない工場の当事者と、中国からの製品調達が大幅に遅れている輸入ビジネス事業者は、重なる想定外の事態に喘いでいる。  

◇サプライチェーンの歪み 

運賃の高騰。新型コロナウイルスの混乱を発端に、2020年から海上コンテナ運賃及び航空運賃は高騰し、大幅に値上がりした後に、2年前のコロナ前の運賃水準に戻ることはなく、高止まりしている。中国から北米や欧州向けの航路においては、スペースの争奪が起きている。コンテナ不足は、2020年11月からアジア域内で騒がれ、川上から川下に繋がるグローバルサプライチェーンへ深刻なダメージを与えた。 

 ◇スタグフレーションの可能性 

経済関連の報道を見ていると、1970年代のようなスタグフレーションは、その兆候が懸念視されているが、スタグフレーションの発生に対し否定的な意見が多く、日本の市場ではまだ起きていないようだ。 

為替相場は、2021年9月から徐々に円安に傾いている。大手企業は計画的に為替予約を行い、一時的な為替相場の変動に対策していると察するが、輸入ビジネスをしている小規模事業者は、小幅な円安への動きが調達コストに響いてきている。本来では、販売価格へ転嫁し、利益を確保するのが健全な経済活動ではあるが、日本の市場においては北米のように価格転嫁の動きは緩慢だ。小麦や食料油などの輸入原材料に依存する食料品は、大手企業の調達コストが、緩やかに販売価格へ転嫁されてきている。一方で、多くの小規模事業者が参入するアパレル日用品、インテリア雑貨などの分野においては、競争相手が多く市場構造が複雑であることや、ECの進化によって価格情報を簡単に比較する事ができる事から、突出したデザイン性や機能性がなければ、コスト上昇を販売価格へ転嫁できていない模様だ。 

 ◇現状のまとめ 

アジリティー(=agility)、近ごろはこの言葉をよく目にする。 

意味は、機敏性や対応の速さ企業活動においては、大切な要素の一つであろう。 

2019年末ごろから始まったサプライチェーンの歪みは、企業の経済活動に負の影響を与え続けている。2020年初め、資金力のある大手企業は体力があり耐えていた。小規模事業者は、補助金などによって多少は耐えていたが資金力にも限りがあり、困難に嘆かず、即断即決で行動を起こした小規模事業者の中には、力強く事業を継続、且つ収益を伸ばし続け成長している事業者も存在する。 

大手企業は、通称バイコンと呼ぶ高度化されたサプライチェーンの手法の一つであるバイヤーズコンソリデーション(=Buyer’s consolidation)を活用し規模のメリットを活かし易い6ヶ月間から1年間の期間を持つ安定した契約運賃を獲得してきた。2020年からは、この規模を強みとしたサプライチェーンの脆さが露呈した。バイコンや契約運賃は、計画通りの安定が根底にある。一方で、予想を超えるサプライチェーンの歪みは、大手企業の「計画通り」が歪みに対する対応を遅らせた。計画に基づき、ルール通りに運用する事を義務付けられたサプライチェーンの手法は、運用ルールに逸脱した方法を採用できなかった。長期契約運賃を取り決めた限られた船会社コンプライアンスや使い勝手を優先したノミネーションフォワーダーとよばれる指定フォワーダー、社内の貿易や通関事務を一部代行する既存の通関業者や配送業者など、緻密な計画に基づいて構築されたサプライチェーンが通用しなくなっていった。船会社は、スケジュール通り運航せずに遅延が常態化、指定フォワーダーの能力によって左右される自社の国際輸送、事務処理を外部委託してしまったために代替の見つからない通関業者など、大手企業のサプライチェーンは翻弄されている。 

輸入ビジネスにおける「アジリティー」を見直すことが、解決策の一つだろう。 

VUCA WORLDでも勝ち抜く輸入ビジネス事業者のサプライチェーン 

輸入貿易を行う小規模事業者の中でも、勝ち残っている事業者の行動には目を見張る。 

中国のアリババから次々と新たな調達先を見つけ、サンプルを取り寄せ、日本の市場へ販売を試みる。航空輸送、海上輸送でも柔軟に輸送手段を選択し、需要を見付け必要とされている商品を瞬時に供給している販売数量が増えると航空から海上へ、輸送手段を切り替える。既成概念に縛られないアジリティーな小規模事業者は、自ら求める輸送サービスを即断即決で採用している。 

2021年は、1年以上続くサプライチェーンの歪みに対応するように、大手企業の体制にも変化が生まれている。輸入貿易を円滑に進めるため、新たなサプライチェーンを創造し始めている。大手企業は、組織の力を駆使して危機に打ち勝つ強いサプライチェーンの構築を目指している。 

サプライチェーンは歪んでいるが、今でも途絶えてはいない。繋がっているサプライチェーンは、商品を輸入する貿易従事者と商品を運ぶ物流事業者によって相互に支えられている。アジリティーな輸入貿易を行う事業者は、鋭い嗅覚によって優れた輸送サービスを見出し、自らが求めるサプライチェーンを築いている 

◇用語解説 

スタグフレーション stagflation 

スタグフレーションとは、景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことをいう。この名前は、景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Inflation)」を組み合わせた経済・金融成語。一般的に、景気の停滞は、需要が落ち込むことからデフレ(物価下落)要因となる。原油などのエネルギー関連価格の高騰など、原材料や素材関連が値上がりする事で不景気の中でも物価が上がることがある。この現象が、スタグフレーション。景気減速によって賃金が上がらない中で、物価が上がる状況は、人々を苦しい経済状況に陥れる。日本では、1970年代のオイルショック後にこの状態となっていた。 

 スローフレーション slowflation 

スローフレーションとは、緩やかな成長(スローグロース)とインフレーションを併せた造語 

Slowflation = Slow growth + inflation 

物価は上昇しているが、経済も緩やかに成長している状態を表す。スタグフレーションと併せて使用されることが多い。 

 インフレーション inflation 

インフレとはインフレーションの略で、日用品やサービスの価格(物価)が上がることをいう。インフレには、良いインフレと悪いインフレがある 

良いインフレの下では、企業収益が増え、従業員の賃金が増える。消費者は、物価が上昇しても収入が増えているために購買意欲は衰えず、経済的な好循環を得られる。好景気のインフラは、良いインフラと呼べる。 

一方、商品の仕入れ価格やコスト上昇を、販売価格へ転嫁できず、企業収益が悪化すると、従業員の賃金が上がらず、購買意欲が沸かず、不景気が加速する。悪循環をもたらすのが悪いインフレ。 

 デフレ deflation 

デフレとはデフレーションの略日用品やサービスの価格(物価)が下がることをいう。商品に対して、貨幣の価値が上がっていく状態を指す。 

デフレになると商品が売れず不景気になる。企業の業績は悪化し、従業員の賃金が減る。失業が増える事も起きる。消費者は消費を控え販売不振になり、企業は販売価格を下げることで、悪循環が起きやすい。 

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