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プラスチック、海上コンテナで輸出入されている その3

プラスチック、海上コンテナで輸出入されている その3

プラスチックは、使われているときより捨てられた後のほうが 
ほんとうは途方もなく永いときを有する 

特に、歳月と科学技術で築き上げてきたプラスチック製品を、 
これからの未来にどう使うか、役立てるか。 
きちんと答えを出すには、先見性と人類の英知が必要だ 
経済成長と持続可能な地球環境への取り組みの両立には、課題が山積している 
プラスチックの使い方で、 
地球環境の未来が決まるかもしれない。 
今時点において、他の素材では代替ができない機能性と経済性を持つプラスチック 
より便利なプラスチック製品、暮らしがより豊かになるプラスチック製品、 
長期にわたって分解せずに地球に残されていくプラスチック、 
地球環境のために、
自然への敬意のために、 
日々の生活の中で、自らプラスチック製品と向き合う機会をつくってみてはどうだろう。 
大切な地球環境を守り、持続可能な未来へ引き継いでいくために 

■目次
その1
1. プラスチックとは何か?
2. サーキュラーエコノミー 循環型経済
3. プラスチックごみをリサイクルする方法
4. 日本のプラスチックごみのリサイクル
5. 日本において、プラスチックはどのようにリサイクルされているのか?

その2
6. プラスチックごみの輸出
7. 中国におけるプラスチックごみの問題
7. バーゼル条約 Basel Convention
9. 廃棄物の輸出入
10. 行き場を失い表面化したプラスチックごみの輸出国と輸入国の課題
11. 数字で読む海洋プラスチックごみ
12. 自然界へ流れ出すプラスチックごみ

その3
13. SDGs 持続可能な開発目標
14. 海洋プラスチックごみの問題
15. 用語表 プラスチックごみの事を考える時のキーワード
16. まとめ

13.SDGs 持続可能な開発目標 

SDGsとは、sustainable development goals、持続可能な開発目標だ。 

2015年9月に開催された「国連持続可能な開発サミット」において、国連加盟国193ヶ国は、2030年までに達成すべき目標として、SDGsを含む行動計画に合意した。 

その中には、2030年までに廃棄物を大幅に削減する事も含まれ、各国では取り組みが始まった。日本においても、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売りが顧客に提供していたレジ袋の削減を目的に、レジ袋の有料化が実施された。業界団体からの反発や消費者の利便性も考慮され、日本において、レジ袋の使用禁止には至っていない。 

 容器包装プラスチックの消費量が多い先進国に対し、アフリカやアジア各国の途上国では、レジ袋の禁止措置を取っている。例えば、アフリカ東部のケニアやタンザニアは、ポリ袋全般の製造、輸入、販売、使用を禁止している。アフリカ54ヶ国の中で約30ヶ国が、レジ袋の規制を導入している。BRICS(ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、南アフリカに次いで、TACTICS(タイ、アルゼンチン、チリ、トルコ、イラン、コロンビア、セルビア)などが台頭してくるといわれていた。この中にアフリカ諸国は、南アフリカしか含まれていないが、2000年以降アフリカ諸国の経済成長は目覚ましい。都市化が進み、先進国同様にごみの問題を抱えるようになった。ごみは分別のルール化、法規制、さらに回収から処理を含めた処理場などの地域インフラ整備など、時間とコストを必要としていた。そこでプラスチックごみのもとをつくらない、販売しない、使わない社会を作り、容器包装プラスチックごみの源を絶つ政策を推し進めた。モンゴルの草原では家畜がビニール袋を餌と間違えて衰弱死する事例が起きた。バングラディシュにおいては、ごみが排水溝に詰まり大洪水の要因となった。  

14.海洋プラスチックごみの問題 

海洋プラスチックごみに対する認識の始まり 

1990年代ごろから、海に捨てられるプラスチックごみが問題視されるようになった。 

クジラやイルカの体の中から大量のレジ袋(ビニール袋)が発見された 

ウミガメやカモメは、漁網に絡まって身動きができなくなり衰弱してしまった。 

海鳥は、ペットボトルのキャップを餌と間違えてひなに与える。 

インターネット上やTVの報道番組やドキュメンタリー番組において、ショッキングな映像が報告され、海洋プラスチックの問題点を、現実的な事として知る機会が増えた。 

当時は、プラスチックをリサイクルする事が、解決の一つと考えられていた。 

プラスチックスープ「plastic soup」 

北太平洋には、潮の流れが合流する還流があり、プラスチックごみが洋上に浮いている。何百キロメートル渡り、風や波、更に潮の渦によって一つの地域に集められたプラスチックごみが洋上に浮遊している。プラスチックスープとは、この状況を表している。世界の洋上には、少なくとも4カ所以上あると考えられている。 

チャールズ・モア(Moore, Charlesカッサンドラ・フィリップスPhillips, Cassandra)の二人が、共著「プラスチックスープの海 PLASTIC OCEAN」にて、海洋プラスチックごみの問題を提起した。 

オランダのNGO団体「THE OCEAN CLEANUP」が行う海洋プラスチックの回収活動は、世界中から注目を集めている。当時18歳のボイヤンスラット(Boyan Slat氏が、太平洋上の海洋プラスチックごみの現状を打開すべくNGO団体を設立し、世界中から資金を集めている。数十億円単位の活動資金だけでなく、世界の科学者がその活動に協力している事も特徴的だ。 

マイクロプラスチック「micro plastic」 

2000年代以降、研究者が発見した大きな課題であるマイクロプラスチックによって、プラスチックごみは新たな局面を迎える。マイクロプラスチックとは、5ミリメートル以下のプラスチックのくずであり、その小さな破片は目に見える大きなサイズのプラスチックごみに比べ、はかり知れないほど危険で、微細な破片はペットボトルやビニール袋のように、拾って回収することが、とても困難なサイズである。アメリカのある研究によると、河川の83%はマイクロプラスチックに汚染されているといわれている。 

人体への影響がどの程度深刻であるか、完全には解明されていない。 

マイクロプラスチックは、河川や海に流れ出た微細なプラスチックが問題視されているが、プラスチックが自然環境に与える影響は、ペットボトルなどの容器包装プラスチックだけが原因ではない。 

人類が製造したプラスチックは80億を超えるといわれている。このままのライフスタイルや経済活動を継続すると、2050年には累計330億トンのプラスチックを製造するとの研究結果もある。 

世界で生産されているプラスチックは、年間約4億トン。 

化学繊維は、大雑把な推計だが年間約8,千万トン~1億トン。 

化学繊維は、洗濯すると水に繊維くずが流れ出す、目に見えるサイズは、洗濯ネットの網目をより小さくすることで、一部を拾うことはできる。しかし、ナノプラスチックとも呼ばれている、超微細な化学繊維が水に流れ出す可能性が指摘されている。マイクロファイバーの太さは、8マイクロメートル以下、人の髪の毛の百分の一以下に相当する。これらの超微細なプラスチックは、河川や海に流れ出たのちに、河川や海の生物が体内に摂取する。魚や貝や甲殻類が摂取したプラスチックは、体内に蓄積する。その濃縮されたプラスチックを、さらに大きな魚類などが摂取し、最終的に人間が摂取する食物連鎖によって、人間は相当濃縮されたプラスチックを体内に取り込む危険性を秘めている。この濃縮プラスチックを摂取する可能性や人体への影響についての研究は、まだまだこれからだ。  

企業の取り組み 

世界中のNGOや個人が取り組むBFFP(Break Free From Plastic=ブレイク・フリー・フロム・プラスチックの調査によると、世界中のプラスチックから見つかった国数やごみの個数ランキングにおいて、世界の著名な企業が上位を連ねている。 

プラスチックごみが世界中で最も多く見つかった企業ランキング 

NO.社名 Company name
1コカ・コーラ Coca-Cola
2 ペプシコPEPSICO
3ネスレNestle
4ユニリーバUnilever
5モンテリーズMondelez
6マーズMars
7P&GP&G

コカ・コーラ、ペプシ、ネスレの上位3社は、3年連続不動の上位トップ3を占めている 

食品の容器包装プラスチックだけでなく、日用品の企業も上位にランクインしている。おそらく多くの家庭でもシャンプーや洗剤などを一つは使用しているであろう、日用品のユニリーバやP&Gは、世界的にビジネスを展開しているグローバル企業だ。 

プラスチックごみの14%は、上記3社で占めているとのデータも発表されている。 

企業側は、容器包装プラスチックを使った商品を販売し続けているが、無策な傍観者のままではいられない。投資家や世界の環境活動家や科学者が、厳しい目線で企業の動向に注目している。 

15.用語表 プラスチックごみの事を考える時のキーワード 

NO.名称 English 説明
1 Bブレイク・フリー・フロム・プラスチックBreak Free From Plasticグリーンピースや世界1,800以上のNPOが取り組むプログラム
2 Cサーキュラー エコノミーCircular economy循環型経済
3 Eエネルギーリカバリー Energy recovery日本ではサーマルリサイクルと呼ばれている
4 FフィードストックリサイクリングFeedstock recycling日本ではケミカルリサイクルと呼ばれている
5LライフサイクルアセスメントLife cycle assessment製品やサービスのライフサイクルを通じた環境への影響を評価する手法
6 MマイクロプラスチックMicro plastic微細なプラスチックごみの事 サイズは5mm以下
7PプラネットバウンダリーPlanetary boundaries人類が生存できる安全な活動領域とその限界点を定義する概念
8 PプラスチックスープPlastic soup北太平洋上に、大量に浮遊するプラスチックごみのこと
9SシェアリングエコノミーSharing economyもの、情報、場所、技術などを人と共有する経済の動きのこと
10SサステイナブルエコノミーSustainable economy持続可能な経済活動のこと 目標はSDGsが提唱している
11ZゼロウェイストZero wasteごみをゼロにする事を目標にする活動のこと

16.まとめ 

プラスチックは、使われているときより捨てられた後のほうが、ほんとうは途方もなく永いときを有する。 

プラスチックは、現代の生活に必要な原材料であり、その製品は欠かせない。今や決済の機能も持つスマホのカバーや、仕事に使うPCの本体、海外ドラマやバラエティー番組を視聴するTVにもプラスチックが多用されている日常生活を円滑に過ごすための掃除機、洗濯機、エアコン、冷蔵庫の家電製品も例外ではない。 

最近特に騒がれている食品包装容器に使用されているプラスチック。プラスチック製のストロー、フォーク、スプーンやカップの使用を控え、更には代替の製品を使用するように条例や法整備が進むが、決定的な解決策は見出されていない。 

アパレル業界が機能性衣料などに用いる、ポリエステル繊維などプラスチックを原料とする繊維製品は、マイクロプラスチックの課題を更に深刻化している可能性が指摘されている。 

暗い話ばかりのようだが、ヨーロッパで進む、海洋プラスチックごみや廃棄プラスチックへの法規制が、技術革新を促し、新たなビジネスを生み出すイノベーションの機会を創出している。ESGは今や企業経営にとって必須のファクターとなっている。海洋プラスチックごみは新たなビジネスモデルを創出する社会からの問題提起だ。 

企業が、環境と社会の視点で考えた時、プラスチック製品を生産している、またはプラスチック製品を使用している場合海洋プラスチックごみへの配慮は、避けては通れないだけでなく、業界トップクラスを狙える大きなチャンスと企業価値を上げるプラスの局面を迎えているとも考えられるだろう 

消費者は、気にしていなくても毎日のようにプラスチック製品を使用しているモノを購入する際の選択肢として、買うか買わないか使用するか使用しないか、などの二択ではなく、新たな付加価値を生み出した製品を選ぶ時代が来ている事を知ることも、解決の糸口かもしれない。プラスチック原材料の代わりにサステイナブルな紙や原材料を用いた製品を選ぶことや、まったく違った製品に挑戦してみるきっかけになっても、新たな製品と出会える楽しみになっても嬉しい事だ 

より便利なプラスチック製品、暮らしがより豊かになるプラスチック製品、 

長期にわたって分解せずに地球に残されていくプラスチック、 

地球環境のために、 

自然への敬意のために、 

日々の生活の中で、自らプラスチック製品と向き合う機会をつくってみてはどうだろう。 

大切な地球環境を守り、持続可能な未来へ引き継いでいくために。 

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