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05-09-2022

産業革命と貿易

18世紀の産業革命以降、産業革命は4回起きている。 

第1回目の産業革命は18世紀に起こった。 

蒸気機関が発明された事によって機械化が始まり、英国において繊維工業を中心に産業が発展した。それまでは、家畜による運搬水車や風車などの自然エネルギーに由来とする水力や風力に頼る手工業であったが、石炭をエネルギーとした蒸気を動力とする工場の機械化加工にシフトした。 

 
2回目の産業革命は、20世紀初頭に続いた。 

石油をエネルギーとした電力化が、大量生産を生みだした。米国の自動車メーカーが象徴的であり、電力を動力とする工場にて自動車本体がベルトコンベヤーで移動しながら組み立て生産された。主に英国が主導した18世紀の産業革命から、米国を中心とした電力の時代へ移っていた。 

 
3回目の産業革命は、1970年代以降に進んだ。 

コンピューターを利用した自動化は、電力による大量生産を進化させ、合理化を追求できた。マイクロソフトやIBMなど、当時を代表するコンピューター業界の有力企業の製品や技術が、コンピューターを用いた生産工程へ変革を促した。コンピューターによってアジア企業の技術が欧米企業に追いつき、製造企業の勢力図がアジアや新興国へ移転していった。 

4回目の産業革命は、2010年代以降に起こっている。 

インターネットの急速な技術発展によって、インターネットとモノが繋がるIOT(Internet of Things)が革命を起こしている。生産効率の向上やロボティクス技術による省人化だけでなく、すべてのモノがインターネットに繋がる事で、変革が起きている。従来は、コンピューターを用いた工場の生産装置自動化が効率化を生みだしたが、インターネットによって、工場の生産現場だけでなく、屋外の建築現場や農場の機械をも自動化させた。移動中の製品や販売や需要をリアルタイムで把握する情報量の増大も、AIと人間が繋がり大量のデータを処理できるようになった。 

これらの産業革命を、簡単に表にまとめると次の通りだ。
産業革命 時期 契機 特徴
1st
18世紀
蒸気機関による機械化
産業革命の黎明期
2nd
20世紀初頭
電力による大量生産
化石燃料の大量消費
3rd
20世紀後半
コンピューターによる自動化
日本やアジアの発展
4th
21世紀
ITの進化
IT企業の台頭

産業革命と貿易 

産業革命と貿易、及び輸送は相互関係によって発展してきている。 

近年、産業構造が高度化する事で、貿易は二国間による取引から、多国間取引が増えている。グローバルトレードの隆盛は、1990年代以降に欧米を中心とした世界から、新興国を交えた産業と経済構造の変化による。これらを、グレートダイバージェンスやグレートコンバージェンスとも言う。 

世界の産業は、三回目の産業革命以降、垂直統合型から水平分業化へと進んだ。 

企業が単体で、一つの製品を開発及び生産を行う垂直統合型は、他社からの干渉を受けずコスト管理ができる事、資金をグループ内で運転し続ける事ができる事や、グループ内にノウハウなどの技術を維持伝承でききるメリットがある。 

一方で、製品を複数の国や地域で生産する水平分業型は、設計、技術開発、素材開発、原料調達、組み立て、販売など、バリューチェーンすべての各工程において、得意分野を持つ企業や地域が連携する事ができる。同時に、資金負担、設備投資、事業リスクなどの面においても垂直統合型より優位性があるといわれているようだ特に複数の部品を組み立てる、コモディティ化された電化製品の生産は、水平分業化が最も進んだビジネスモデルのひとつだ。 

北欧、米国、日本の家電メーカーが、世界各地にて原材料を調達し、部品を集積させ、またはモジュール化させた半製品を調達し、最終的に工場にて組み立てて完成させる。完成した製品を、再び世界各地の消費地へ運び販売する。家電メーカーだけでなく、アパレル、インテリアや日用雑貨など、水平分業化は様々な産業において応用されているビジネスモデルだ。 

生産地と消費地が同地域であった時代から、世界各地で生産する時代へパラダイムシフトした事によって、グローバルトレードは活性化した。FTA、EPA、TTP、AJCEPなどの経済連携協定は、二国間だけでなく多国間・他地域連携へと拡充していき、世界各国が政策によって国家レベルで貿易促進を図っている。 

水平統合型のビジネスモデルは、原材料、部品、製品が計画通り、低コストで貿易及び輸送できる事を前提条件としている。航空機やコンテナ船及び空港や港湾の設備などのインフラ関連だけでなく、各輸送手段を繋ぐネットワークシステムの進化が、地球中のあらゆる角度から、拠点と拠点の距離を短縮させた。世界の工場と呼ばれた中国が顕著なように、地球の裏側であっても、計画的に輸送できるようになった。 

世界各国や各地域間の貿易連携と物流ネットワークの進化は、産業革命と密接な関係を保っている。 

国際貿易に伴う製品や人の移動によって、輸送方法と交通手段が進化し続けている。 

産業革命以降、蒸気機関の動力は、帆船や馬車による運搬に取って代わり、輸送量を増加させ、輸送時間を大幅に短縮した。航空機の発達と航空輸送網は、人の移動を加速させる事によって、地域間のコミュニケーションを格段と活性化させた。 

学問として研究されるほどサプライチェーンマネジメントは、日々進化している。同時にインフラ面も開発が進み、規格を世界で標準した輸送するための箱であるコンテナは、コンテナリゼーション(Containerization)と呼ばれ、近代における輸送技術の中で最も影響を与えた仕組みの一つと言われている。スエズ運河やパナマ運河も絶え間なく開発が進み、海上輸送の航路は、より一層高速かつ大量に運べるようになってきている。IT技術の進化は、グローバルサプライチェーンをさらに高度化させ、輸送や移動の距離の時間軸を短縮させている。 

予期していたことではなかったかもしれないが、氷に覆われていた北極を中心した海域は、地球温暖化によって、夏季には船が通れるようになってきた。これは、コンテナ船などの貨物船の移動距離を大幅に縮める事ができ、アジアと欧州間の輸送日数を約30%短縮できるといわれている。しかし、この新たな航路にも課題はあり、氷塊を破砕する砕氷船を運航させる事や気象データを用いて安全な運航を準備するなど、発展途上の輸送ルートだ。実際に製品を輸送するコンテナ船、そのコンテナの荷役を担う港湾設備、安全で効率的な運航を続けるための輸送技術は進化し続けている 
 

グローバリゼーション 

世界各地でモノづくりが行われる水平分業が進み、これらのビジネスモデルを表す経済用語としてグローバリゼーション(Globalization)、ボーダーレス(Borderless)、リージョナル(Regional)、ローカル(Local)、グローバル(Global)などが用いられている。 

開発・設計、調達、加工、生産、輸送、交通、情報のすべてが高速化している。様々な分野においてもイノベーションが起こり、競争が激化することで、成長と衰退の変容が不連続で発生している。 
 

日本は新たな産業革命の波に乗れているのか? 

20世紀、日本は自動車産業電器産業、繊維産業など、製造業を中心に高度経済成長期を迎えた。その後、コンピューターを利用した自動化も企業の成長を後押しした。 

しかし、1980年代後半になるとバブル経済を招きその後10年間以上は不況が続いた。それ以降も日本の成長は低迷し、30年間以上続く迷走が今もなお続いている。 

日本のIT関連企業は、製造業として成長し有名企業を輩出してきた。しかし、情報やサービスを主体としている、Google、Amazonを筆頭とする現代のIT企業は、グローバルビジネスを展開する中で、製造を主眼においてはいない。しかし、Amazonはe-Commerceを大きな産業へと成長させ、アップルはiPhoneによって新たなビジネスを多種創出した。これらの新興企業によって、世界規模のモノと人の流れが起き、国際貿易は益々活発化してきている。 

IOTによって始まっている4回目の産業革命は、先進国と新興国、欧米とアジアなど、経済規模や地理的条件を、イノベーションと技術によって凌駕できる可能性を秘めている。 

他国との貿易によって成り立っている日本の経済体制の中で成長するヒントは、日本の強みを活かせる人は「繋がり」にある。 

世界の若者を惹きつける日本のアニメなどのポップカルチャーや世界で安定的な人気を得ている和食の文化は、日本の市場から海外へ進出していった日本で創出された固有の商品だ。アイディアと従来商品から新たな商品を創り出すことは、日本人や日本の企業が得意とする分野だ。 

世界は未曾有の危機に面し、全世界レベルで経済情勢が揺らいでいる。ワークスタイルが急速に変化するこの時、あらゆる分野において「繋がる」IOT技術によって、日本発信の文化を海外へ創出し、情報とモノの流れを産み出すことを期待したい。デジタル化やグローバル化の時代の流れの中で、かつて隆盛を誇った日本の伝統的な製造業は、保守的であり自前主義を貫いていると、世界の潮流からは時代遅れの可能性がある。新たな成長を描くために、高度な機動性と柔軟性を持った組織に加え、可視化された俊敏性を持つサプライチェーンの再構築とデジタルトランスフォーメーションを通じて有機的にキュレーションする人材を持った企業が、国際貿易の分野において勝機を見出せるだろう。 

イノベーションを通じた新たな貿易需要の創出は、日本の企業成長を助けることになるだろう 

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