現在の上海港は、コンテナ取扱量が世界一の貿易港です。
従来の管理主体であった上海港務局(SPA: Shanghai Port Authority)は、2003年に、上海市港口管理局(Shanghai Municipal Port Administration Bureau)と上海国際港湾(集団)有限公司(SIPG: Shanghai International Port(Group)Co. Ltd)に別れました。
Shanghai Municipal Port Administration Bureau
上海市港口管理局の業務は、港湾の立法業務、安全確保業務などや情報の統一化をはかる業務を行っています。また、2020年までに上海港を国際的なハブ港とする目標を掲げています。
上海国際港務(集団)有限公司(SIPG)は、上海港の公共バースの全てを運営する会社です。ステベ(Stevedore港湾荷役業者)は、全てSIPGの手配で行っています。また運営の多角化を進め、外資導入の規制を緩和して外資企業との合弁会社を設立しています。
次の項目では、外高橋コンテナターミナルと羊山コンテナターミナルの概要についてご紹介していきます。
上海港のコンテナターミナルとしては、従来、黄浦江沿いの軍工路ターミナルや張華浜ターミナル、宝山ターミナルがありましたが、国際的なコンテナターミナルとして建設されたのが、外高橋地区のコンテナターミナルです。世界銀行の借款で開発が進められ、1994年に第1期ターミナルが完成し、その後、2期、3期、4期と建設が進み、2005年に5期が完成し、2010年に6期が完成しました。
外高橋(Wai gao qiao)1期ターミナル(3バース)は、1994年に稼働を始めました。上海浦東国際港湾コンテナターミナル有限公司(SPICT: Shanghai Pudong International Container Terminal Ltd.)が運営しています。水深は、12メートルあります。50トンを吊り上げるガントリークレーンが8基と35トンのガントリークレーンが2基あります。年間の可能な取扱量としては、75万TEUです。
外高橋2期から3期ターミナルについては、宝山・軍工路・張華浜の3ターミナルを運営するSCTと上海港コンテナ有限公司(SPC)の外高橋ターミナル支社で運営されています。そのためSPCWTと呼ばれています。(Shanghai Port Container Co., Ltd とWaigaoqiao Terminal Branch)
1999年に2期が稼働し、2002年に3期が稼働しました。水深は、13.2メートルあり、50トンを吊り上げるガントリークレーンが17基あります。年間の可能な取扱量としては、140万TEUです。
外高橋2期から3期ターミナルについては、宝山・軍工路・張華浜の3ターミナルを運営するSCTと上海港コンテナ有限公司(SPC)の外高橋ターミナル支社で運営されています。そのためSPCWTと呼ばれています。(Shanghai Port Container Co., Ltd とWaigaoqiao Terminal Branch)
1999年に2期が稼働し、2002年に3期が稼働しました。水深は、13.2メートルあり、50トンを吊り上げるガントリークレーンが17基あります。年間の可能な取扱量としては、140万TEUです。
4期ターミナルは、2003年に稼働を始めました。AP MollerとSIPGとの合弁会社(SECT: Shanghai East Container Terminal JV Co.)が運営しています。
水深は、14.2メートルあり、61トンのガントリークレーンが12基あります。年間の可能な取扱量は、180万TEUです。
5期ターミナルは、SMTC: Shanghai Mingdong Container Terminalが運営しています。 2005年に稼働を始めました。
水深は、14.2メートルあり、61トンのガントリークレーンが12基あります。年間の可能な取扱量は、70万TEUです。
6期ターミナルは、2010年に完成、自動車専用ROROの2バースとコンテナ専用の3バースがあります。年間取扱量は210万TEU、完成車73万台が処理可能と言われています。
羊山深水港(ようざんしんすいこう)は、上海市浦東新区の東南30キロメートル沖合の羊山に建設された新しいコンテナターミナルです。羊山深水港および羊山保税地区は、大羊山島と小羊山島に属する島々の間を埋め立てて作られました。上海市との間には、長さ32.5キロメートルの東海大橋が建設されました。
羊山コンテナターミナルは、上海国際港務(集団)股份有限公司(SIPG)が運営しています。水深は約16.5メートルあり、大型船の寄港も可能です。
2005年に完成しました。水深は16.5メートルあります。
スーパークレーンが18基あり、最大60トンの重量を揚げることができます。クレーンのリーチは65メートルあります。年間の可能な取扱量は、220万TEUです。
第2期4バース2006年完成、第3期(A)3バースは2007年完成、第3期(B)3バースは、2008年完成しました。年間の可能な取扱量は、2期が250万TEU、3期が400万TEUです。
2017年に完成しました。この新しいターミナルは、敷地面積が223万平方メートル、岸壁の長さが2350メートルあり、7バースを設置、年間の可能な取扱量は、400万TEUですが、フル稼働すれば630万TEU以上の取り扱いが可能です。
自主開発した全自動化ターミナルとして、10基のガントリークレーンや40基の軌道式トランスファークレーンを遠隔操作としたほか、コンテナドレージには無人化搬送車が130台設置されています。この自動化した新しいターミナルでは、二酸化炭素の排出量を10%削減できると言われています。
次章は上海港の各船社の利用状況をご紹介いたします。