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【中国輸入ビジネス 入門】石島港~いにしえの小上海~

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石島港

かつては「小上海」や「小香港」と呼ばれることもあった、中国山東省の最東端に位置する「石島(Shidao)港」 
海上速達便のサービス拠点のひとつでもある「石島港」を紹介していきます。 

石島港とは?

なかなかに古い歴史をもっている石島港・・・なのですが、意外なことに中国国内事情に詳しい人にとっても馴染みが薄いようです。 
山東省の地方港湾である石島港。一体どんなところなのでしょうか。 

中国大陸で韓国に最も近い場所に位置する石島港

山東省の最東端に位置する石島港は、北に朝暘山、後ろには石島山があり、三方が山に囲まれている場所にあります。 
近隣のコンテナ港である青島港まで300km圏内にあり、車で約3時間ほどの距離です。 
また国外へのアクセスとしては韓国の仁川港まで約370km、釜山港まで約600kmと距離が近く、貨物船だけでなく観光用フェリー船も就航しています。

石島港の歴史

西暦600年-900年頃、中国では隋~唐の時代に、石島港は中国東海岸において重要な商業港となり、港には商人がたくさん訪れました。 

さらに時代は進み西暦1600年-1910年代、明末期~清の時代にかけては、中国華北エリアで「小上海」「小香港」とまで呼ばれるようになりました。「中国革命の父」と呼ばれる孫文は、石島港を中国東海岸のなかでも上海と広州に並ぶ、三大港湾の一つと数えたと言われています 

その後の時代においても石島港は山東省内でも重要な漁港であり、一般の漁船の避難所として利用され、漁業や塩の流通拠点として有名でした石島港周辺地域は1954年に石島県として発足し、1958年に栄成県に編入されました。 

現在の石島新港は1999年に整備され、2001年には政府から一類の対外開放港として承認を得ました。 

石島港、名前の由来

石島港周辺の山に良質な建築材料となる「花崗岩」が豊富に含まれていることから、「石島(Shidao)」と名づけられたと言われています 

物流拠点としての石島港

海上速達便で利用する高速フェリー船出港地のひとつでもある石島港。 
地理的・歴史的な特徴のご紹介が済んだところで、物流拠点としての側面もみていきましょう。 

島港の基本情報

石島港は貿易港としてはとても小さく、外航コンテナ船が行きかうような主要港ではありませんが、前述のように韓国向けの国際フェリー船が就航しているため、韓国経由での日本への輸送ルートを含め、国際貿易の航路も確立されています。 

また、石島港から中国国内の主な港までの内航船航路も整っており、煙台(Yantai)港や青島(Qingdao)港、大連(Dalian)港に行くことができます 

港湾規模としては、石島港が有する面積は約0.8平方キロメートルです。世界最大級の港である上海港の総面積が258平方キロメートルであることとくらべると、やはりとても小規模な港だということがおわかりいただけますね。  

近年の石島港での取り扱い貨物量は40万トンで、おもに石油・天然ガス・木材などを輸入し、建設資材やセメントなどを輸出しています。 

参考までに中国国内の港湾ランキングを見てみると、トップは上海港で山東省の港湾は5位に青島港、11位に日照港、16位に煙台港となっており、残念ながら石島港は入っていませんでした。 

華北エリア最大の漁港が抱える課題

石島港は貿易港の機能だけでなく、華北エリア最大の漁港としての役目もあります。そのため、道路や港のあちこちに漁業用ネットが張り巡らされており、港に出入りする旅客や漁船に不便を強いています。 

さらに、一類の対外開放港となったあとは、韓国や日本の船舶が日に日に多くなってきており、深海バースの不足も問題になっています。また、機械設備の老朽化や倉庫の保管状況などはさらに改善する余地が残されています。 

石島港の発展と将来性

石島港はこれまで紹介してきた通り、漁港としての役目もあるため、漁業と水域を共有することによる様々な制限もあります。また、ごく近隣のエリアには青島港、煙台港、威海港など比較的規模の大きな港もあり、地理的な条件もふくめ石島港の大きな発展はなかなか困難なようです 

現在は既存の施設の改造により、荷役作業の効率化に重点を置いています。さらに、韓国や日本に近い地理の優位性を活かし、海外からの投資を呼び込むことで観光客を増やそうとしています。 

石島港へのアクセス

上海から行く場合、石島港の最寄り都市である威海(Weihai)に飛行機(約2時間)で行き、そこからタクシー(約50km)で行く方が早く着きます。 

 山東省内からの移動であれば、石島港へは青島ビールで有名な青島(Qingdao)から車や長距離バスで移動する方法がもっともシンプルです(約3時間) 

まとめ:小さな漁港から始まり、国際貿易港になった「石島港」

今回は中国山東省の地方港湾の一つである「石島港」にスポットを当てて紹介しました。山東省は中国国内でも農産物の出荷量が多く、日本にもその多くを輸出しています。 

塩業からはじまり、もともとは小さな漁港でしたが、韓国や日本に近い地理の優位性を活かし、いまでは日本をはじめ韓国や朝鮮へ貨物を輸出する国際貿易港に発展しています。 

高速フェリー便を利用することで、海上輸送にも関わらず航空便並みの配送日数で荷物をお届けできる海上速達便サービスにとっても、石島港は重要な拠点のひとつです。