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03-13-2022

フルーガルイノベーションは輸入貿易の物流にも起きるのか [後編]

輸入貿易の物流分野において、イノベーションを必要としている。それはフルーガルイノベーションである事と、持続可能なグローバルサプライチェーンシステムである事が強く望まれている。 

自らが起業家であり、多くの世界的に著名な大企業にも影響を与えている米国のエリック・リース氏は、著書「リーン・スタートアップ」の中でこう語っている。 

 リーン・スタートアップでは、従来とは異なる方法で生産性を測る必要がある。スタートアップは誰もが欲しがらないモノを作ってしまうことが多いからだ。その場合、予定通りに完成できたり予算内で完成できたりしても、あまり意味がない。スタートアップの目標は、できるかぎり早く、作るべきモノーー顧客が欲しがり、お金を払ってくれるモノーーを突きとめることだ。 

つまり、リーン・スタートアップとは、サイクルタイムの短縮と顧客に対する洞察、大いなるビジョン、待望とさまざまなポイントに等しく気を配りながら、「検証による学び」を通して画期的な新製品を開発する方法なのである。 

 エリック・リース氏は、トヨタのJIT方式(ジャストインタイム)やカンバン方式などと呼ばれている在庫を減らす仕組み作りに関わり、米国GE(ゼネラルエレクトリック社の生産システムの改善に影響を与えている。 

書籍 リーンスタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす 
著者 エリック・リース 井口耕二訳 伊藤穣一解説 
THE LEAN STARTUP 
How Today’s Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses 
ERIC RIES 

 

自動車業界におけるフルーガルイノベーション 

自動車は、18世紀に蒸気を動力とした移動手段として誕生した従来の馬や牛などの家畜から機械式の動力源を得た乗り物として革命的であった。その後1世紀以上の時間を経て、ガソリンエンジンが普及し、今は電気自動車(EV)が登場してきた 

EVに関しては、創設者イーロン・マスク氏のキャラクターもあり、常にテスラが注目されている。ガソリンエンジンの自動車を製造してきたトヨタ、GMやベンツなどより生産台数は多くないが、時価総額は鰻登りで世界有数の企業に伸し上がり、世界中の投資家の熱い視線を浴びてきている。 

この電気自動車業界の中では、米国にもう一つの注目企業がある。 

リヴィアン(Rivian)は、2009年に設立された電気自動車メーカー。米国カリフォルニアに本拠を設け、R.J.スカリンジ氏(R.J. Scaringe)がCEOを務める。Amazonやフォードが投資した事でも有名になった。 

電気自動車は、マイクロモビリティーやテスラのようなスポーツタイプの電気自動車が普及してきている。リヴィアンは、市場開拓の少ないSUVやピックアップトラックを開発している。急速に成長しているイーロン・マスクが率いるテスラと異なり、慎重で確実な成長を歩もうとしている。2021年には、すでに第二工場を設立し、2030年以降の近い将来には年間40万台程度の生産量を計画している。しかし、足元ではAmazonからのオーダーに対し、数台規模の出荷しかできていない。 

一世紀を超える自動車の歴史の中で、2009年に設立後、10年余りで完成品出荷前に十数万台の受注を受け、企業やファンドから多額の出資を受けたリヴィアンは、電気自動車のネクストテスラ(The next TESLA)と騒がしている注目株だ。 

 

EC業界におけるフルーガルイノベーション 

Amazonやアリババが、世界及び中国や日本で市場占有率トップを築いた。 

カナダのオタワで誕生したShopify(ショッピファイは、2006年に創業した。創業者の一人であるトビアス・リュトケ(Tobias Lutke)がCEOを務めている。EC市場において、プラットフォームを提供し、年間売上高が30億ドルを超え、Shopify市場での取扱高は1200億ドル規模。Amazonに次ぐe-Commerceのプラットフォーム提供会社に成長している。 

創業当時は、e-Commerceのサイトを構築する企業であった。決済関連、商品写真の見せ方など、ECサイト運営者が必要とするサービスを拡充していった。 

Amazonとの違いは、出店者のブランディングを大切にしている事。 

Amazonは、マーケットプレイスと呼ばれる、出品する商品類で分類し、出品する商品販売主のコンセプトなどのブランディングではなく、購入する消費者の利便性を追求し、類似商品を併せて閲覧できるようにしたことで利用者が急増した。消費者は様々な類似商品を比較して購入する事ができき、しかも低価格だ。 

Shopifyは、ブランディングを重要視するD2Cブランドに支持された。Shopifyは、プラットフォームの提供、決済機能、運営資金を援助するキャピタル事業など、すべては出店者の自由度を高めたことによって、大躍進を遂げた。 

すべて自前に拘らず、既存の物流会社と提携し、ロジスティクスサービスを充実させたことも、アマゾンが自前の倉庫に拘ることと一線を画す。利用者の大半は中小企業であり、利用用もお得感のある料金設定である事も、ECサイト運営者には嬉しい事なのであろう。 

Amazonに出店するとすべての商品がコモディティ化してしまう事に対し、Shopifyの利用者は、他にどこにもない、類似品の見つからない革新的な商品を、自社の考えるブランディングのコンセプトに基づき販売できることも魅力と感じ出ているだろう。 

 
社会学の研究家である奥井智之氏は、著書「社会学の歴史の中で、ルーマンの社会システム理論についてこのように語っている 

「ルーマンはそこで、システムをどう規定するのか。 

  1. 一般に世界は、システムと環境に区別される 

(世界は多種多様なシステムがあり、それぞれのシステムが自らにとっての環境をもつ)、 

  1. システムは自らの作動(オペレーション)で、自らをシステムとして作り上げている 

システムは自らの再生産を通じて、システムと環境の差異を再生産している 

というのが、そこでの概括的規定である。 

この後段の特性は一般に、システムの自己準拠性(原語はself-referenceで自己言及性とも訳されると呼ばれる。 

ルーマンはそれを、生物学のオートポイエーシス原理から学んだ。オートポイエーシス(「自己創出」を意味する造語とは生物が、つねに自分自身を再生産し続ける原理をさす。」 

書籍 社会学の歴史 
著者 奥井智之 
造語 オートポイエーシス(autopoiesis) 

 

ルーマン (Niklas Luhmann、1927-1998) 

二クラス・ルーマンは、ドイツの社会学者。ドイツで学び、後に渡米している。ルーマンは社会学のパラダイムシフトを企てた学者の一人だといわれている。ルーマンは、コミュニケーションこそが社会システムの大切な要素だとしている。 

 

人やモノの移動手段の中で最も需要な位置を占める自動車に、EC(電気自動車)でイノベーションをおこしている「リヴィアン」。 

Amazonやアリババの2強が巨人のように立ち塞がるEC市場においては、2強が極めて高い市場占有率を維持し続けている。そこの異なるアプローチで成長をしてきた「Shopify」。 

この二つの産業の中で革新をおこしているスタートアップの2社は、さまざまな類似のサービスが生まれる中でも、成長の速さは突出している。湧き上がるアイディアを、実現可能なものとして、世に送り出すことによって企業家、投資家や消費者からも支持されてきているのだろう。 

 

フルーガルロジスティクスサービス 

比較的低いスキルの産業、社会的なインフラとの認識が強い運輸業界において、情報通信機器や技術革新によって、新たな付加価値を創出できる分野へと変貌している。DX(デジタルトランスフォーメーション=Digital Transformation)が、輸入貿易の物流分野においても影響を及ぼし、イノベーションを誘発している。インフラであり社会的に派手な産業ではないために、注目されることが少ないが、ロジスティクス分野において、新たな付加価値を提供するフォワダーが登場してきている。複雑な国際取引と、国内取引と同じように誰でもいつでも参入できるほど、越境ビジネスは進化している。エフシースタンダードロジックス株式会社が提供する「D2D」は、フルーガルロジスティクスサービスだ。 

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