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06-14-2022

【中国輸入ビジネス入門】常州 ~江蘇省南部の隠れた古都~

上海からの利便性もよく、日系企業が多く進出する江蘇省の南部に位置する常州(Changzhou)。

今回の記事では、常州にまつわるアレコレについて紹介してまいります。

INDEX

まずは常州を知ろう

2500年以上の古い歴史を持っており、江蘇省の省都・南京市(Nanking)や、日系企業が多く進出している無錫(Wuxi)や蘇州(Suzho)に隣接していながら、意外にも日本人にとって馴染みの浅い常州。一体どんなところなのでしょうか。

常州の歴史

常州の歴史は古く、さかのぼれば約2500年前に町が形成されました。西晋時代から近代までの約1700年もの間、都・府として栄え、江蘇省南部の中心地として「三呉の重鎮、八邑の名都」と呼ばれていました。

また歴史学的には、いわゆる南北朝の時代に江南(長江南岸地域)に存在した王朝(斉・梁)の皇帝15名を輩出した土地として知られているそうです。

常州では東晋の時代から「櫛(くし)」が作られ、宮廷用でも使われていたことから「くしのふるさと」とも呼ばれています。

また、伝統工芸の刺繍は、無形文化財として登録されています。

特に乱針刺繍は中国において国宝とされており、作品を仕上げるには熟練の技術だけでなく絵画的才能も必要なため、乱針刺繍の職人は数えるほどしか存在しないとか。

近年の常州市では、上記で紹介した伝統的な工芸品だけでなく、新エネルギー自動車産業をはじめ、電子機械、化学工業など先進的な産業を中心に発展しています。

常州へのアクセス

常州市は江蘇省南部に位置している中国の地方都市です。日本人も多く住む蘇州や無錫に隣接し、上海から高速鉄道(日本でいう新幹線)を利用すれば約1時間で行ける距離にあり、2等席を利用すれば74.5元(日本円で約1,500円)と交通費もそれほど高くありません。

日本から常州に行くときは上海虹橋空港行きの飛行機であれば、そのまま駅構内を徒歩で移動するだけで高速鉄道に乗って常州に行くことができるので、アクセスは比較的よいと言えるでしょう。

中国輸入ビジネスにおける常州

常州という都市の概要をかんたんに解説したところで、ここからはビジネス的な視点で常州を見ていきましょう。

常州に進出している日系企業

常州の北側には外資系企業が集まっている「常州ハイテク産業開発区(新北区)」があり、ここに日系企業も多く誘致されています。代表的な日系企業としては、

  • 株式会社小松製作所
  • 株式会社SUBARU
  • 丸紅株式会社
  • 伊藤忠商事株式会社
  • 東芝株式会社

などがあげられます。

これら大手企業をはじめ、100社以上のも企業が常州に進出しています。とはいえ、やはり隣接する無錫(約300社)や蘇州(約600社)に比較するとその数は少ないと言えます。(参照:JETRO 江蘇省概況 2021/8)

しかしながら、常州市に常駐する日本人の人口はそれなりに多く、新北区にある「漢江路」には数多くの日本料理店が集まっており、上海ほどではないにしても住みやすい町になっているとのこと。

2020年9月には株式会社みずほ銀行が中国江蘇省常州国家高新技術開発区との間で日中インテリジェント製造(常州)パークの設立に係る覚書を締結しました。これにより、新エネルギー自動車、人工知能(AI)、スマート製造などの領域の企業を誘致していくことを目的にしています。

常州港の紹介

常州港は「常州ハイテク産業開発区(常州新北区)」に位置し、2001年4月25日に国務院から認可された一級港湾です。上海-南京高速道路から14kmの距離にあり、南京・上海へもアクセスしやすい位置にあります。

常州港内には、4つのターミナルと11のバースを有し、一般貨物だけでなく、バルク貨物や液体化学品など様々な輸送形態の貨物を乗せた船が往来しています。

港内の中でも常州港汎用ターミナルは、全長527m、水深10.5m、1万トンバース×3基、最大バース容量7万トンを有し、年間の取扱貨物処理能力は135万トン(バルク貨物80万トン、一般貨物55万トン)にも上ります。

港湾規模としては、常州港が有する面積は3.06平方キロメートルしかなく、世界最大級の港である上海港の総面積が258平方キロメートルに対し、とても小規模な港だということがおわかりいただけますね。

エフシースタンダードの輸送サービスと常州

2022年3月末頃から約2か月にわたり上海がロックダウンしていたのは記憶に新しいですが、国際物流の一大拠点である上海からの輸送が事実上できなくなってしまったことで、中国輸入に関わるみなさまにも大変な影響があったかと存じます。

そんな中、弊社では上海発の輸送ルートの代替案を複数提供し、大変ご好評をいただいておりました。その代替輸送の拠点の一つとなったのが常州です。

エフシースタンダードでは、普段海上速達便サービスのみをご利用の方にも、なんらかの事情で上海から貨物を輸送できない際には、緊急的に様々な輸送プランをご提案しております。

まとめ

今回の記事は、江蘇省の省都である南京市の隣に位置し、上海から高速鉄道に乗れば1時間程度の距離にある常州市にスポットを当てて紹介しました。

一般的には知名度が高いとはいえない常州市ですが、近隣には蘇州市や無錫市といった多くの日系企業が進出している都市があるため、中国とビジネスをしているうちに、常州市の名前を耳にする、もしくは実際に訪問したり駐在する機会がでてくるかもしれませんね。