肌寒い日が続きますが皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
11月第一回目の海上速達便のメルマガは来る11月11日『独身の日』についてのコラムです。
また、中国系船社でのフリータイム(FREE TIME,F/T)短縮実施についてのニュースもお届けいたします。
今後の輸入にぜひお役立てください!
【『独身の日』と中国物流事情】
毎年11月11日に独身者がパーティをしたり贈り物をする慣習があったことから、そこに目を付けたアリババグループが2009年に初めてネットショップでの大規模なイベントを開催しました。
そんなW11(ダブルイレブン)のネット通販セールも、すっかり国内外を問わない一台消費イベントに成長。
10月の国慶節、1~2月の春節と並ぶ商戦期と位置付けられるようになっており、内需の力強さを表す機会にもなっているとか。
中国語では「双十一」、今年は「緑的双十一」が呼びかけられ、時勢を反映した省エネ家電などグリーン=環境を意識したプロモーションが展開されています。
この「独身の日」後の2週間程度は中国国内の物流が一番混む期間と言われています。
とてつもない量の商品が動きますから、当然と言えば当然ですね。
近年ではIT技術の導入などで改善が図られているとのことですが、陸路は渋滞がちになり、どこの倉庫も出荷待ちの貨物でいっぱいになる状況です。
荷物の量が多すぎるため、紛失などのトラブルも起こりやすくなっているとのこと。
中国税関が発表している2018年のデータでは11月11日~18日の一週間輸出荷物数量は普段の5倍以上に達し、通関作業の所要時間は+1~2日、荷物の空港待機時間は+2~3日になっていたそうです。
中国輸入ビジネスをおこなっている方にとっては、「独身の日」前後の中国国内での物流事情を輸入計画に組み込んでおくことが
スムーズなビジネスにつながると言えそうですね。国慶節や春節のように、前倒しのスケジュールをオススメいたします。
《参考データ 2020年の記録》
・11月11日から16日にかけて「独身の日」に関連して中国全土で送られた小包はおよそ29億7000万個
(中国国家郵政局調べ。これは、前年比28%の増加であり、通常の1日分の分量の2倍)
・8億人以上(昨年は5億人)の消費者がアリババグループの各サービスを利用し、最終的な流通総額は4982億元を記録した。
過去最高だった昨年と比べて26%増。1元15.6円で換算すると、日本円ベースでは約7兆7200億円。
ちなみに楽天の2020年度(2020年1~12月期)国内EC流通総額は4兆4510億円。この独身の日がいかに規模の大きなマーケットであるかがよくわかりますね。
昨今の空コンテナ不足の状況をうけて、中国系の各船社ではコンテナヤードでのフリータイムを短縮(起算日のルールを変更)する動きがあるようです。
フリータイム(Free Time)とは、輸入地のコンテナヤード等で荷主または荷受人がコンテナを無料で借りておくことが出来る期間のことです。
フリータイムは船社ごとに日数が設定されており、一般的にドライコンテナで5~10日間程度です。
冷凍機能を持つリーファー・コンテナなど、特殊コンテナのフリータイムは1~3日間と、より短く設定されています。
これまでも年末などの繁忙期にはフリータイムを通常より短い期間に短縮する措置が取られることもありましたが、
この度のフリータイム短縮は、『コンテナの早期返却を促すことで世界的に問題になっているコンテナ不足解消を図る』という目的で導入されます。
今回、中国船社で変更になったのはドライコンテナのフリータイムを営業日→カレンダー日(土日含む)にしたことです。
従来は営業日(月~金)のみをフリータイムとしてカウントしており、土日はフリータイムを使いませんでした。
しかしカレンダー日になることで土日もフリータイムに含めることから、実質フリータイムの短縮となったのです。
土日は税関や通関業者もお休みで通関をすることが出来ません。
しかし、フリータイムはカウントされてしまうので、金曜日にフリータイムが切れたら自動的に土日のデマレージ※1が確定することになります。
またリーファー・コンテナのフリータイムは廃止となりました。
温度管理が必要な商品は納品までの手配がかなりスピーディーに処理されますが、それでもコンテナ返却までには早くても半日はかかります。
今回の変更により コンテナがターミナルに搬入された時からデマレージ※1が発生してしまうことになるため、これまでより費用が余分にかかることは避けられません。
エフシースタンダードでは、この状況で少しでもお客様のお力になれないか各方面と調整を進め、上海からの輸入でフリータイムを従来通り14日間確約することを実現いたしました。
みなさまの輸入をもっと便利に、快適に!
海上速達便は皆様のビジネスを応援いたします。